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humhummの乱読日記

Kindle Unlimitedと図書館を利用して読んだ本の備忘録です。☆の数はあいまいでかなり主観的ですが、基本的に最後まで読み切ったおすすめの本を紹介しています。

なんで、その価格で売れちゃうの? 行動経済学でわかる「値づけの科学」

 

📙 なんで、その価格で売れちゃうの? 行動経済学でわかる「値づけの科学」

おすすめ度 ⭐⭐⭐⭐⭐

面白く読めた本だった。情報がまとまって整理されており、著者の永井氏がその店舗やサービスを実際に観察、体験して生の情報を伝えていたため(「そうそう」という感じ)最後まで面白く一気に読めた。最新の行動経済学を踏まえて(初版は2018年11月)本当に「値つけ」だけに特化した本である。

「利益=(販売量 X 価格)-コスト」だが、考えてみれば、「価格」についてはどうしてその価格なのかもちろん私も含め多くの人に決定権がない。販売量やコストというのは、例えば企業の決算資料でもその商品の需要や過去の実績、またコスト削減の目標などで多少知ることができるものの、そもそも価格というのはある程度givenというか、非常に大事な要素なのにあまり考えたことがなかった。実際商品を値上げした場合、今後ポジティブに働く度合(値上げ効果)とネガティブに働く度合(需要減)の予想は難しい。

内容は個々の企業や商店の例が豊富で具体的なためわかりやすい。その中で改めて重要だと思ったのは、企業は「やりたいこと」→「やらないこと」→「やったこと」それぞれを成功のためには明確に定義すべき。そして永井氏は値つけについて「商品の魅力」がないことと「値ごろ感」がないことが売れない理由としているが、値つけの目的とバランス感の明確な戦略が必要ということ。

先月の坂上&指原のつぶれない店(番組Twitterが公式っぽくないノリなのが気になる)でかつや(先日も行きました。おいしかった)の臼井社長が話されていた、3つ選択肢がある場合日本人は概して「まん中を選ぶ」話も載っていた。値つけには改めて知識も(まん中の商品に誘導させたいという)戦略も必要なのだなあ思った。

例えば、私はしていないがハンドメイド品を個人で販売している場合、企業とは違って戦略や思惑を反映し過ぎることはできないかもしれない。しかし値つけを(コスト+これくらいの利益かなという感じで)感覚的に行うよりも、このような入門書を読んで価格を決定することは、例え今は難しくても今後こうなった場合こうしていきたいという戦略が生まれる点で意味があると思う。

また末尾に「参考情報」として参考文献とそのまとめが載っているがこちらもわかりやすくておすすめだと思う。私の読み終わったら断捨離したい数年物の積ん読本(基本的に読み直ししないので)が何冊か含まれていたので、今年こそ読み終わって可能ならこの日記で感想を書いて部屋もすっきりさせたい…。