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humhummの乱読日記

Kindle Unlimitedと図書館を利用して読んだ本の備忘録です。☆の数はあいまいでかなり主観的ですが、基本的に最後まで読み切ったおすすめの本を紹介しています。

ドキュメント 道迷い遭難 [Kindle Unlimited]

 

📙 ドキュメント 道迷い遭難

おすすめ度 ⭐⭐⭐⭐⭐

こちらの本は私がKindle Unlimited利用開始前に読んでいたのだが、現在Kindle Unlimited対象になっておりいい意味で驚いた。本当におすすめ!のすごい本である。

読了後家族にすすめたところ、こんな怖い本を読ませて!と言われたがこちらの本は山と渓谷社発行のノンフィクション。山での「道迷い遭難」7件の当事者の方(本当に奇跡的に生還した方も含む)から、なぜその選択をしたのかそしてそのときの心理状態等を取材し今後未然に防ぐ方策を検証する。

見事な書きぶりと再現力で、自分が道に迷い何日も山中をさまよっているような感覚に陥った。視界を遮るような竹藪を、こちらの方向に違いないと思いながら進み続ける自分。また夜になってしまった。何日このままなんだろう。ヘリコプターは自分を見付けてくれるだろうか。もう歩けない。下に進めばいつか下山できるはず。滝にぶつかった。上へは引き返せない。もう飛び降りるしかない…。

この本でダメだと学んだのに同じ間違いをしてしまいそうだ。自分にはこの選択しかない、自分は大丈夫と思いながら…。

私は登山をしない。ただハイキングや高尾山(東京にある標高599mの山)へ行ったりはするため、役に立つかと思い読み始めた。結果、今後登山はしないだろうと思った。怖すぎる…(本の出版意図とは違うと思います。ごめんなさい)。この本には、ここが発見間際にいた場所というような感じでモノクロの写真がたまに出てくるのだが、それがなんというか普通の河原(に見える)だったりして余計に怖く感じられた。

現在はこの本の出版当時(おそらく2006年?)よりスマホやGPSが普及しているものの、バッテリ切れもあるため「道迷い遭難」とは無縁ではないと思うし、実際に事故や遭難の報道もしばしばされている。こちらの本は山でのべからず集としても参考になるうえ、ノンフィクションとしても秀逸で本当におすすめです。