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humhummの乱読日記

Kindle Unlimitedと図書館を利用して読んだ本の備忘録です。☆の数はあいまいでかなり主観的ですが、基本的に最後まで読み切ったおすすめの本を紹介しています。

旦那が突然死にました。 [Kindle Unlimited]

 

📙 旦那が突然死にました。

おすすめ度 ⭐⭐⭐⭐⭐

Kindle Unlimitedで何か読む本ないかな~と探していて、この題名が目に留まりすぐに読んでしまった本。マンガ8割、エッセイ2割という感じか。主題と内容のあまりのインパクトの強さに星5つ。

「死」にどっぷりつかる。著者のせせらぎさんの叫びがひたすら続いて、正直こちらも苦しい。でも一気に最後まで読み終えた。最後の最後がなんだか切なくて辛い(ネタバレしません)。始めに目次を見たときに「長い…」と思ったのだが(Kindleで読んでいるので本の厚さの実感がない)思ったより早く、おそらく2時間ほどで読み終えた。

読後感はやっぱり苦しい。こんなこと私にも起こるのかなと思う。でも起こったって不思議はない。コロナ禍でずっと在宅勤務が続いて今は以前のように出社している私の「旦那」は以前のような残業続きの勤務に戻っている。私自身は自分の状態をよくわかっているつもりだけど(以前体を壊したこともあるので)、自分自身のことに無頓着な旦那はある日急に倒れたって不思議はない。病気で倒れたり事故にあったり、考えても仕方がないから考えないようにしているけれど、今日のような明日がないこともあるんだと思うことがある。

Steve Jobsのスタンフォード大での有名なスピーチで、「If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?」(今日が自分の最後の日だとしてもこれをするだろうか?)という問いがあるが、確かに、とそのときは思うのだがすぐ忘れてしまい結局変わらずの毎日を送っている。

この本の率直な感想を言えば、自分は経験者ではないからわからないけれど(あと残念ながらそこまで旦那命という感じではない汗)子供がちょっとかわいそうかな(責任?を背負わされすぎというか)と感じたのと、あまり経済的な心配はなかったのかなということ。そして未経験だから全くわからないけれど、やっぱりこれほど悲しくなるんだろうなあ、今までの世界がぐらぐらと崩れてしまうほどに。毎日何かをきっかけに涙が出て、泣かない日がないほど泣いて、そういえばここ数日泣いてないと思う日がある日突然訪れるのだろうか。

そう思えるほど、死別後の体験、気持ちを本当に細かく詳しく赤裸々に書いた本だった。絵がゆるい感じだから、内容の辛さと解決しない暗さがずっと続くどろどろした感じが耐えられるものになっていると思う(これが楳図かずお系の絵なら辛い)。

突然の死、これは本当に勘弁してほしい。そしてそう思っている方もいるとは思うが、見送るより先に死んでしまいたい。苦しい思いや寂しい思いは味わいたくない。でも死んでいくことも知らないまま死ぬことは辛い(志村けんさんもそうだっと思うが)。できたら死ぬってわかって死にたい。せせらぎさんも少し落ち着いたと思うけれど、旦那様のまーくんもなんだか報われるというかほっとしたと思う。これじゃ心配で落ち着けなかったんじゃないかな。どちらの立場でも私ならこんなの耐えられないんじゃないかな、と思った。でもその立場になったら、否が応でも耐えないといけないんだよなあ…。