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humhummの乱読日記

Kindle Unlimitedと図書館を利用して読んだ本の備忘録です。☆の数はあいまいでかなり主観的ですが、基本的に最後まで読み切ったおすすめの本を紹介しています。

生涯投資家

 

📙 生涯投資家

おすすめ度 ⭐⭐⭐⭐⭐

とても良かった。村上氏は真面目でまっすぐな方で、考え方にもほとんど同意してしまった。マスコミに作り上げられたイメージだったのだろうか?冗談に取られるかもしれないが(そして私もこのように本質的でないところをあげつらわれるのは嫌いなのだが)おそらくご本人がもう少しゆったりとした話し方と態度だったら受け取られ方は大分違ったのではないか。あと、「M&Aコンサルティング」の会社名どおり、コンサルに終始していれば感謝されこそすれ敵視されることはなかったのにと思わざるを 得なかった。

会社を変えるという目的は時間がかかるかもしれないが(あるいは会社は全く動かないかもしれない)村上氏の意思それも大義が違う方向に解釈されてしまったことは正直勿体なかった。成功した場合、一般市民から見れば莫大な利益が出るため、ハゲタカと混同するような穿った見方をされたのかもしれないが、話を聞いてもらえない→株式を購入→さらに買い増し、は村上氏の考えはいたって正当なものだと思うものの、日本では特に当時は喧嘩を売っていると思われても仕方がなかったように思う(現在の経営者や環境はどれ程変わったのだろうか?)。

私も(も、と言うのも烏滸がましいが)経営者タイプではなく、一人コツコツの(村上氏よりはるかに少額)投資家になりたいと思っている。少なくとも投資家目線で経済やマーケットを考えられるようになりたい。

投資には利益をあげるための投資手法のようなある種テクニカルなものと、企業に対する個人的な熱い思いがあり、私自身はそれを混同してしまいそうで怖いのだが、この本の後半の「日本の問題点」「日本への提言」は村上氏の熱い思いが感じられるものだった。特にNPOに関しては資金の回り方に同様に課題を感じていたため、実際に行動されている村上氏は素晴らしい。近況部分は切なさを感じてしまうところもあったが平和的にでも意思を持って過ごされている村上氏を正直良かったと思った。