しょぼい起業で生きていく [Kindle Unlimited]
おすすめ度 ⭐⭐⭐
真面目な話をすれば、著者のえらてん(=えらいてんちょう)氏が現在アドバイザー的な役割をされているのもあり「起業」となっているのかもしれないが、『しょぼい「起業」で生きていく』というよりも実際は『しょぼい「店」で生きていく』というほうが誤解がないかと思った。
というのも、私はえらてん氏(店長だから店だとわかるのか)をこの本を読むまで存じ上げず、少数派だとは思うが随分独特というか特化された起業の話だなと思いつつ他の起業指南書と同じように読み始めてしまったから。この本は指南書のようでありつつ後半はエッセイのようでもあり、えらてん氏の持つゆるさのためかよくわからない。
最近のテクノロジー系スタートアップとは対極的なこじんまりした独特な店というかスペースを設置して暮らせるぐらい稼ぐというか、暮らしてゆくための指南書だ。コストをかけずコンパクトにというのは、店以外の業態も含むが以前ご紹介した1万円起業に近い。そしてこちらの本は後半の「しょぼい喫茶店」の例があって良さが伝わると思う。
えらてん氏はこういうのもあるよというような感じで、コミュニティのような店の一形態を紹介しているが、誰にでも出来るものではなくかなりハードルが高い。それこそ適性を選ぶと思う。結果から言うのもおかしいが、会社員よりこのような形態の店を経営している方のほうが少ないと思われることから、適性がある方はかなり限られていると思うし、そもそも人徳や本気度の問題があるが私が指導を受けて店を開いても軌道にのせるのは難しいと思う。
ただ、私には経営は無理でもこのような店の常連になるのは楽しそうな気がするし、最近はスナックが見直されてきていることからも、場所と人と雰囲気を選べば商機(を狙ってはいけないのかもしれないが)はあると思う。こちらの本は、該当する方にはぜひ(そのような方には星4つだろう )そしてその他の方には経営指南書というよりも自分の考え方を振り返るきっかけとしておすすめします。