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humhummの乱読日記

Kindle Unlimitedと図書館を利用して読んだ本の備忘録です。☆の数はあいまいでかなり主観的ですが、基本的に最後まで読み切ったおすすめの本を紹介しています。

起業家

 

📙 起業家

おすすめ度 ⭐⭐⭐⭐⭐

2013年出版のだいぶ前の本だが、そういえば藤田氏やサイバーエージェント関連の本って読んでないなと思い読んでみた(アメーバ関連のサービスを私自身が使っていないのもある、父がアベマTVのファンです)。ただ新聞や雑誌である程度動向は追っていた+サイバーエージェントは美女が多いという話は知っている+藤田氏の麻雀関連の記事はネットで読んでいた(社長業と両立しながら偉業だと思います!)。

あとどのような経緯で読んだのか忘れたがベンチャー企業の広報担当は、めちゃくちゃ使えないという話と続編のダメなベンチャーの広報って、ある意味、気の毒ですよがやたら印象に残っていて、一つ目の記事に良い例としてあげられているA社が、どこかに書いてあったのか私がそう思ったのかわからないが、サイバーエージェントに違いないと思い込んでいた(会社を特定されないための情報の改変の仕方も微妙な感じだし…)。

この記事にもあるようにベンチャーから大人になった(ように感じています、いい意味で)サイバーエージェント。ここまで独立独歩で来て立ち位置をつかんだことも、そうだったのかと納得がいった。うまく例えられないが、この本はサイバーエージェントと藤田氏がベンチャーから大人(=establishedな企業)になるまでの記録だとも思った。

ですます調の文体と藤田氏の表現の丁寧さ、思考を言語化するうまさがまず印象に残った。そして孤独な闘いと決断。藤田氏は非常に内省的な人だと思う。読みたいことを、書けばいい。の日記でも書いたが、「結論の重さは過程に支えられる」の実践者のようだ。

それに対して、以前読んだ不格好経営 チームDeNAの挑戦不格好経営 チームDeNAの挑戦の日記)は、同じように苦労はあったはずだが、南場氏はもっと前を見ていたというか、もう少しさっぱりしている印象を受けた。もちろん、これはさらけ出し具合と文体の印象に左右されるところも大きく、実際のところはわからない。

私の仕事はもっと近視眼的で、藤田氏の社長業とは全く比較にならないのだが、仕事量とスケジュールに圧倒されそうなとき、もう今日(今週)はこれをやるだけでいい、これしか考えない、そうすれば道は自ずと開けると半ば念じながら仕事に向かうことがある(一応事前に全体的なスケジュールは考えておきます)。それが動揺しているときに前に進むための私にとっての唯一の方法なのだが、アメーバ成長の際のページビューに突き進む感じ、なんかわかるなあと思ってしまった。ふと立ち止まるといろいろな思考でいっぱいになってしまう。

そして藤田氏は現在も変わらず悩んで(考えて)いると思う。アベマTVも継続の結果が数字に出てきたと思っていたが、アメーバのときと同じく信念を突き通した結果だったのか。

この本の最後の最後、ちょっとトーンが変わってポジティブな感じになる(一息つけるような心理状態じゃないと、自叙伝的なものをを書こうとは思わないでしょうし)。「たった一人の孤独な熱狂」を、「不可能を可能にする」のが起業家。こちらの本は文句なしの星5つだと思います!!