あなたの「弱み」を売りなさい。戦わずに売る新しいブランド戦略 [Kindle Unlimited]

📙　あなたの「弱み」を売りなさい。 戦わずに売る新しいブランド戦略

おすすめ度　⭐⭐⭐⭐

「ストーリーブランディング」を中小企業や個人事業向けに解説した本。ユニークなのは「星ヶ岡のチンパンジー 無名の小さなお店が有名な大きなお店に勝つたったひとつの戦略」（こちらもKindle Unlimited対象）が前半にあり、後半に実例を元にした解説があること。

正直なところ、ストーリーテリング（物語を作る、語る）ことはよく耳にしていたし、前半の「星ケ岡のチンパンジー」はありきたりの例え話なのかと思いきや、丁寧に書かれた私の好きな感じの話だった。正義と悪のようで最初はやられっぱなしなのだが、何かをしているようで実際には流されっぱなしの、実際はビジネスをしていく中ではよくある展開なのかもしれないと思う。

特に後半の大学生のワークシートがリアリティがあって、それまでの著者の主張を自分に落とし込むのに役立つ。確かに、自分一人あるいはかなり少人数でビジネスをしている場合（店舗を持ってあるいはネットででも）ビジネス拡大＝規模の拡大ではなく、することの拡大、意義の拡大という点で著者が挙げている「5種類の売り方」は考えるヒントになると思った。

先日、起業の一日ワークショップのようなものに参加してみたのだが、他の参加者の質問が非常に具体的だったり熱量がすごかったりで、圧倒されっぱなしだった。

そのワークショップを通して、起業をする前も後も、とにかく考えて考えて考え抜くことが必要だと感じた。ワークショップではこの本にあるようなワークシートを使用したのだが（ご存じの方も多いと思うが実際にはBusiness Model Canvasを元にしたものを使用←Wikipediaの英語の説明）アイデアを採用するもしないもまずアイデアとその元の考えが必要で、自分は今までそこまで突き詰めて考えていなかったなあと感じた。この大学生のワークシートはBusiness Model Canvasを埋めるのにも役立ったと思う。

「星ケ岡のチンパンジー」の帯には「世界一"やさしい"マーケティングの教科書」とある。マーケティング初心者、そして基本に立ち返ってざざっと自分のビジネスを見直してみたい方におすすめの本だと思う（読みやすくてあっという間に読めました！）。