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humhummの乱読日記

Kindle Unlimitedと図書館を利用して読んだ本の備忘録です。☆の数はあいまいでかなり主観的ですが、基本的に最後まで読み切ったおすすめの本を紹介しています。

「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本

 

📙 「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本

おすすめ度 ⭐⭐⭐⭐⭐

始めに想像したよりもよく書かれていた本だった。前回のちきりんさんの本を読んだ時と同じく、この本をまとめるのにどれだけの労力が必要だったかと思うと感服する。

The Highly Sensitive Personの読書日記にも少し書いたが、私はHSPで(絶対確信がある!)でも今は様々な経験を経て、自分の性格や思考の癖もわかって落ち着いて過ごしている。この本に書かれていることも会得したものの、ここまで言葉にはできなかった。だから20代や30代前半で悩んでいる方にはぜひ読んでもらいたい。年をとると(多分)楽になってくるから。

「繊細さん」という呼称に少し抵抗があって、こちらの本は食わず嫌いだったのだが読んでみて良かった。なぜ「繊細さん」という呼称に抵抗があったのかは、「繊細」という言葉が細かい、神経質と同義に思えて(繊細な造りのジュエリーなどならもちろん誉め言葉なのだが)言われたくない言葉だったからだと思う。とにかく「細かい」関連の言葉はがさつ気味な親から言われ続けて嫌だった。逆に今はほとんど誰からも言われないが。

同じような人も多いような気がするがここ数日三浦春馬さんのことで気が滅入っていた。私より遥かに才能があって存在意義もあって、必要である人で、でもどうして、どうにかできなかったのかとぐるぐる思い続けていた。

この本には 『「この仕事/職場にい続けたらまずい」 そう思ったら、同僚にどれだけ迷惑をかけようと、仕事の責任が残っていようと、すべて放り出して全力で逃げてください。 人生には逃げるべきときがあります。仕事よりも他人よりも、自分の心身を最優先にしてください。』と書いてある。

三浦さんがHSPだったのかは知らない。でもここを読んで泣いてしまった。そのときだったんじゃないの?

この本の著者の武田氏と同じく私も休職したことがある。20代後半だった。そのときは体の不調が先に出て動けなくなった。その後休養し、気持ち的に自暴自棄になったこともあったけれど、行動する勇気も体力もなかったから助かった(私の場合、家庭環境の影響も大きくて、小さなころから希死念慮を持ち、なぜなぜと考えまくっていたことも大きいと思う。AI vs. 教科書が読めない子どもたちを読んだとき、冤罪の経験を持った人が考え深くなったというのを読んで納得した)。

仕事を放り出してと言っても、私の場合と全く違う。私はその後回復して勤めた別の会社(でも同職業、好きで評価もされている仕事だったけれど)で、さらに数年後本当に嫌になってしまって退職したときも、いろいろ葛藤して結局「辞めます」と言ったのは考え始めて半年後だった。次の人が来ないと辞めさせてもらえないので、時期を見計らったのもある。それでもその半年間、気持ちは半狂乱のような感じで、毎日毎日どうしようかと同じことを考えて手帳にいろいろ決意を書いてみたり、金銭的に今後が心配だったのでサッカーくじのBIGをもう本当に藁にもすがるような気持ちで大人買いしてみたり(もちろん当たりませんでした)普通ではなかった。もちろん職場では全く気付かれていない。

三浦さんの不調は仕事のせいではないかもしれないけれど、本当に代わりのきかない仕事で数年先まで予定が詰まっていたら…。そのときの自分の精神状態を考えると本当に辛い。芸能人の方も半年ごとでもいいから今後どうするか面談する機会を持つとか、誰にでもリセットの機会を与えてほしい。

多くの方が今、全てを放り出してしまってでも生きていてほしかったと思っていると思う。姿が見えなくても、どこかの田舎や外国でのんびり暮らしていてくれたら…。私も自死を実行こそしないものの、オプションというか身近に感じていたこともあるのだが、こちらの佐藤浩市氏の追悼コメントを読んで遺された人がこんな気持ちになるのならしてはいけないと逆説的にだが感じた。「一番悔やんでいるのは春馬 お前自身の筈だ」とあるけれど三浦さんは後悔しているのかな、わからない。